睫毛で印象が変わる
街を歩くと、ものすごい勢いのまつげをしてる女性を見かける機会が多くなりました。世代がばれるのを恐れずに言うと、“スゴイまつげ”の代名詞だった、宇宙戦艦ヤマトの森雪のまつげが貧相に見えるぐらいです。普段のメイクアップに、つけまつげが流行する前には、「目力」(めぢから)という言葉が、テレビのコマーシャルから流れていました。つけまつげには目を大きく見せる効果があるそうで、言うならばこれも目力の延長にあるものだと考えられます。
この先はいったいどこへ行くのでしょうか? 究極の目力、それは、歌舞伎役者が切る“見栄”(みえ)に違いありません。とんでもないファッションに身を包み、ぐぐぐっとにらみを利かせる。全身から放たれ、すべてを威圧する目力です。
世の女性たちのファッションリーダーと言えば、ショービジネス界のセレブたちです。そして、その中でも、最も注目されていると言っても過言ではない女性、レディ・ガガは、リミッターなんか存在しないほどの奇抜なファッションとメイクで他者の追随を許しません。そして、インターネットの通販では、フクロウやコンドルの羽のような模様のつけまつげが売られています。
もともと歌舞伎という言葉は、常識を外れて、型破りなものを意味する“傾く”(かぶく)から来たものです。思えば、ルーズソックスやガングロ、ヤマンバ、厚底ブーツびっくりするぐらいのミニスカートと、女性のファッションの変遷は、驚きの連続です。その姿は、カブキモノ以外の何者でもありません。そうなると、次に来るのは、間違いなくカブキメイク。そう、隈取り(くまどり)をした女性たちが渋谷や原宿の街を埋め尽くすのです。ティーン向けファッション誌には、自分でできるKUMADORIという見出しが踊り、インターネット通販では、隈取り筆のセットがランキングをにぎやかし、テレビでは、隈取りをしたアイドル、隈ドルがもてはやされます。もちろん、本家本元の梨園も大人気!
こうして、日本の伝統が最先端となり、世界のファッションリーダーの地位を確立するのでした。